お歌のレッスンで「あわて床屋」(日本の童謡200選より)を練習しています。
北原白秋作詞、山田耕筰作曲。名曲です。

お歌の先生は、表情ゆたかに、カニさんの様子を表現してくださいます。
そんなふうにわたしも歌えたらいいなぁと思います、ガンバリマス。

1番

「春は 早うから 川辺の葦(あし)に」

「これからおはなしがはじまるよ~」
という感じで、出だしは、意味深に。

「葦(あし)に」です、「足に」ではないです。
「足、じゃないんだな?」
と、小さい子にもわかってもらえるといいですね。
ていねいに伝えましょう。

「蟹(かに)が 店出し 床屋で ござる」

「カニが」の部分は、
「小さなカニさんがね」
と、小さい声で。
ピアノ(P)です。
小さい声でお話をすると、
「なになに?」
と、聞いてもらえるのです。
大事なところは小さい声で。

「床屋でござる」。
そう。カニさんは、得意です。
自慢のお店です。
「どうだい?」
てな感じで。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

楽しそうに、得意そうに。

2番

「小蟹(こがに) ぶつぶつ 石鹸(シャボン)を とかし」

「ぶつぶつ」が切れてしまわないように。
「ぶつ」「ぶつ」ではなく、「ぶつぶつ」がひとつの単語です。

ぶつぶつしゃべりながら、シャボンを泡立てているのです。
きっと、鼻歌でも歌うかのように、シャボンを泡立てているのでしょうね、と、わたしは思います。

「おやじ 自慢で 鋏(はさみ)を 鳴らす」

おっと、このカニさん、どうやら「オジサン」のようです。
もしかすると、チョビヒゲなんか生やしているかもしれませんね。
どんなカニさんなのかな?
と、想像力をふくらませて、自分なりの「絵」を作っていきましょう、
と、先生は言います。「正解」はないのです。

そのカニのおやじさんが、お店を出す準備にいそしみながら、
「チョキン!チョキン!」
と、自慢のハサミを鳴らすわけです。
腕に自信があるのです。
ハサミにも自信があるのです。
手入れも行き届き、
きっと朝日を浴びて、キラキラ光っていることでしょう。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

そんな切れのよいハサミが、
「チャキン!チョキン!」
と、これがまた、景気のいいいい音が鳴るのですって!

3番

「そこへ 兎(うさぎ)が お客に ござる」
「どうぞ いそいで 髪刈って おくれ」

そこにウサギが来ました。
どうも、ひどく急いでいるようです。
「不思議の国のアリス」に出てくるウサギのような感じでしょうか。
片手に時計を持って、走って来たのでしょうか。
息を切らしていたかもしれません。

せっつかせるように
「早く切れ」
と、椅子に座って催促しています。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

カニさんは、いつもの調子を乱しかけています。
ハサミの音が気ぜわしいです。

4番

「兎ァ 気がせく 蟹ァ あわてるし」
「早く早くと 客ァ つめこむし」

ウサギは、何度も時計を見ては、
「早くしろ、早くしろ」。
そんなときに限って、次から次へとお客がつめよせ、
口をそろえて「早く早く」と言うのです。

さすがのカニもあわててしまいます。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

ハサミの音もせわしなく、あわてふためくように鳴り響きます。

5番

「じゃまなお耳は ぴょこぴょこするし」
「そこであわてて チョンと切り落とす」

大変なことが起きました!
「大切な耳」を「切り落とし」てしまったのです!

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

たまげた、どころではありません。
カニは、心臓が口から出るような思いがしたに違いありません。

6番

「兎ァ おこるし 蟹ァ 恥ョ かくし」

ウサギはカンカンに怒っています。
当然です。
腕に自信のあったおやじの面目はまるつぶれ。
冷や汗はかくは、心臓はバクバクするわ、
「申し訳ない、申し訳ない」
と、何度も何度もあやまりながら、小さく小さくなります。

あやまってすむものではありません。
カニは「とりかえしのつかないこと」をしてしまったのです。

「しかた なくなく 穴へと 逃(に)げる」

カニは、逃げるように、穴の中に入っていきます。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」
「しかた なくなく 穴へと 逃げる」

2回目のしかたなくなく、は、ピアニッシモ(PP)。
カニさんは、小さく小さくなっていきます。
肩を落とし、情けない感じで身を小さくすると同時に、逃げて遠くに行ってしまう=小さくなっていくのでしょうね。
文字通り、穴があったら入りたいというような心持です。

「チョッキン チョッキン チョッキンナ」

情けなや、ああ情けなや。
なんてことだ、あー、なんてことだ!

全国童謡歌唱コンクール

ほぼ毎年、今までに6回応募して、6回、落選しています。てへ。